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１７７６「チャレンジカップ」
- 社会課題をビジネスで解決する
社会課題は「自治体、NGOやNPOが解決するもの」と捉えられることが多いが、昨今はビジネスで解決することこそが持続的解決につながると考えられ始めている。社会課題をビジネスで解決することを模索するスタートアップを、世界中から発掘しようとするグローバルインキュベーター・シードファンドがワシントンD.C.を拠点に活動しているのが「１７７６」だ。
１７７６は、ワシントンD.C.、サンフランシスコやバージニアを中心にスタートアップのコミュニティを形成し、場の提供や起業家教育などを行うインキュベーターであるが、それ以外に「1776チャレンジカップ」というスタートアップ向けのビジネス・トーナメントを毎年世界規模で開催している。
- 「チャレンジカップ」の概要
チャレンジカップは、「都市」・「交通」・「セキュリティ」・「金融」・「エネルギー」・「ヘルスケア」・「教育」・「食糧」の8つの社会課題をテーマに世界45都市、9地区でスタートアップを集めて、ビジネスモデルを競うビジネス・トーナメントである。書類審査に通過したスタートアップが都市・地区予選に出場し、オーディエンスと審査員に対して自分たちのビジネスモデルを2分間でプレゼンをして競う。都市・地区予選を勝ち抜いたスタートアップは、6月にワシントンD.C.で開催される本選に招待され、そこで最終的な優勝者が決まる。予選通過者には次に進むステージへの渡航・滞在費が提供され、本選の優勝者には175,000米ドルの優勝賞金と投資の機会が与えられる。
2016年2月25日、JINは１７７６の日本初のリージョナル・パートナーとして、経済産業省・総務省・文部科学省・米国大使館後援のもと、日本・中国・韓国・タイ・フィリピン5ヶ国の東アジア地区予選を東京大手町の3×3 Lab Futureで共催した。総勢23組のスタートアップが国内外より参加し、結果5組が本選の進出を決めた。（詳細は、http://goo.gl/F0Lw1sをご参照ください。）
- 「参加することに意義がある」
近代オリンピックの父ピエール・ド・クーベルタンが言ったとされる「参加することに意義がある」という言葉がある。その精神を彷彿させるのがチャレンジカップだ。都市・地区予選において、プレゼンを行う前に準備期間が設けられ、それがスタートアップにとってのインセンティブとなっている。
予選参加が決またスタートアップはプレゼンを行う前日から会場に集まり、１７７６が提供するプログラムを受けることができる。プロのコーチから効果的なプレゼンの方法を習う「ピッチ・コーチング」、事業をスケールさせるためのヒントが得られる「ハッキング教室」、様々な経験を持ったメンター陣からインサイトやアドバイスを得る「メンター・セッション」などが用意され、参加する全てのスタートアップに対して付加価値を提供することを重要視している。
１７７６のマネージング・ディレクターであるデイビッド・ジッパー氏はその真意について、「スタートアップにとってグローバルで何が起こっているのか注意を払うことは重要だ。世界で何が起こっているのか目の当たりにし、世界の投資家やVCなどに効果的にピッチする術を身につけてもらうことは我々がスタートアップに提供する大きな価値だと考える」と話す。せっかく良いアイデアや事業を行っていても効果的な説明や伝え方が出来なければ、機会を活かせないことを彼らはよく知っている。また、「我々はチャレンジカップを通じて世界中全てのアントレプレナーたちに、学びと自国や他国のアントレプレナーとつながる機会を提供したい」とも語る。他国から参加するスタートアップがどのような視点で課題を捉え、解決しようとしているのかベンチマーキングする機会や、１７７６が世界中を周る中で得た知見が共有される「場」に参加する、そのこと自体に意義がある。
- JINと１７７６による協業契約の締結
今回の1776チャレンジカップ東アジア地区予選の冒頭に、JIN専務理事の西口尚宏とジッパー氏が協業の調印式を執り行った。
協業は主に１７７６が持つ米国や各国におけるスタートアップ・コミュニティとJINが持つ日本の大企業やアカデミア等のコミュニティを繋ぎ、双方向でイノベーションを興すことを目的としている。今後、双方のコミュニティの関心がある分野において、イベント開催や合同プロジェクトの実施のほか、パートナーシップ構築の実現を目指している。
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【参考】
1776 Website (English):
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一般社団法人Japan Innovation Network（JIN）事務局