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西口尚宏のイノベーション日記#2「イノベーション・マネジメントISO会議を終えて」
4/24から4/27まで、スペイン・マドリードで開催された「イノベーション・マネジメントISO会議」に日本代表として出席してきました。数年前から、欧州主導で既存企業からのイノベーションの興し方(以下イノベーション経営)の国際標準化が進められています。その背景は、オープンイノベーションを行う上での多国間での共通言語が必要というものでした。具体的には、半年ごとに各国が一同に集まり、テーマ別ワーキンググループで議論と意思決定を行い、その後半年かけて各国の意見を集約しながら、また再会して議論を継続し、国際標準を練り上げていくというプロセスです。
日本は2015年10月から議決権をもつプリンシパル・メンバーとしてこの活動に参加しており、私は毎回、積極的に参加しています。初回はダブリン、次にベルガモ、北京と続き、今回のマドリードで4回目の参加です。毎回20カ国程度が参加しますが、今ではお互いの発言や考え方の傾向も分かっているので、非常に生産的な議論ができています。また、イノベーション経営に関わる非常に良い材ネットワークが世界各国にできたという副産物もあります。
2015年10月に初めてダブリン会議に参加した時の「日本の参加を心から歓迎する。アジアからは中国が熱心に参加しているが、欧州とも考え方を共有できる日本が参加したことは非常に喜ばしい」との議長の発言は、今でも心に残っています。もちろん中国チームとも仲良くやっていますが、彼らの問題意識は「国営企業だけでなく、中堅・中小企業からもイノベーションを興すことは国策。その方法論がイノベーション経営である」という戦略的なものです。
一方、各国代表と話していると、既存企業からイノベーションが興せない状況については、ほぼ同じであることがわかります。彼らの課題認識は、2016年2月に「イノベーション100委員会」(経済産業省、株式会社WiL、JINが共同運営)で取りまとめた内容とほぼ同じと言ってよいでしょう。私のISO会議参加の発言内容は、イノベーション100委員会での活動やJINのイノベーション加速支援業務に基づくものになりますが、各国とも共通言語として通用します。
今回は、その「イノベーション100委員会レポート」の中身を日経ビジネスオンラインの連載に掲載いたしました。ぜひ、こちらをご参照ください。
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「西口尚宏のイノベーション日記」について;
「大企業からイノベーションは興らない」という定説を覆す活動に2009年に身を投じてから早や8年が経ちましたが、日々発見の連続です。おかげさまで、複数の加速支援先で具体的な成果が出始めたところですが、ご縁を頂きましたお一人おひとりに定期的に近況をお伝えする「西口尚宏のイノベーション日記」を2017年4月からお送りしています。JINは私が全力投球している活動ですので、どうしてもJINでのイノベーション活動の話題が中心になりますが、一般社団法人日本防災プラットフォームの代表事としての活動もイノベーション視点で行っておりますので、国際防災の話題に触れることもあると思います。西口からの私信という形を取らせて頂きますので、気軽にご高覧賜れば幸いです。
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