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JINイノベーション便り

西口尚宏のイノベーション日記#7「国連総会を経て」

先週は、国連総会でごった返しているニューヨークに滞在していました。現地では登壇や会議が続き大変忙しい時間を過ごしましたが、いくつか思うところがありましたので、皆様に共有したいと思います。(前回は5月の配信でしたので、大変ご無沙汰してしまいました。)

国連ですから、SDGsが当然話題になりますが、明らかに潮目が変わったと感じました。いわゆる17ゴールレベルでの一般論ではなく、具体的な達成目標をもとに議論が加速している印象です。これは従前より、JINがUNDPと共同運営しているSHIPを通して問題提起してきたことですが、いよいよキャッチフレーズとしてのSDGsの時代は終わりに近づいていると感じました。“成果志向のSDGs時代”の始まりです。SHIPではそのようなプロジェクトも既に複数始まっていますので、この流れを加速していきたいと改めて強く感じました。

今回は特に、ブロックチェーンをテーマにしたパネルディスカッション、IoT、5Gを取り扱ったセッション、あるいはSDGsを達成するためのファイナンスの議論について登壇したり、議論に参加したりしてきました。これらすべてのテーマで、何を成し遂げるのか、という具体的な会話が始まっています。SDGsが採択されて3年が経ち、その進捗状況にも焦点が当たっています。SDGsは、極めて具体的なゴールなので、達成の可否が議論の対象になっているのです。

また、SDGsの達成において各国共に女性リーダーが活躍し、議論を牽引していました。議論の内容が格段に具体的になってきていると同時に、性別に関係なくリーダーの役割が重要であることを改めて確認することが出来ました。

そんな中でこの度、イノベーション経営に関わる本『イノベーターになる:人と組織を「革新者」にする方法』を日本経済新聞出版社より出版(10月18日)します。JINを創業して丸5年が過ぎ、この間にイノベーション加速支援の実践を通して考えてきたことを、JINの代表理事の紺野先生と私で書き下ろしたものです。5年間の活動に基づく「提言」の形をとっています。特に、イノベーションに関わる典型的な5つの誤解を解くところから書き始めており、どうすればいいのかという具体論に踏み込んでいます。経営者、ミドル、若手、全ての層の方々に役立つ内容になっていますので、ご興味のある方はこちらでご予約頂ければ幸いです。(定価1,600円+税)(厚かましくてごめんなさい・・・)

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「西口尚宏のイノベーション日記」について;
「大企業からイノベーションは興らない」という定説を覆す活動に2009年に身を投じてから早や8年が経ちましたが、日々発見の連続です。おかげさまで、複数の加速支援先で具体的な成果が出始めたところですが、ご縁を頂きましたお一人おひとりに定期的に近況をお伝えする「西口尚宏のイノベーション日記」を2017年4月からお送りしています。JINは私が全力投球している活動ですので、どうしてもJINでのイノベーション活動の話題が中心になりますが、一般社団法人日本防災プラットフォームの代表理事としての活動もイノベーション視点で行っておりますので、国際防災の話題に触れることもあると思います。西口からの私信という形を取らせて頂きますので、気軽にご高覧賜れば幸いです。
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