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【ISO国際会議レポート】2月27日~3月3日 UAEのドバイにて開催のISO国際会議に、JINから真野、尾﨑、ビリの3名が日本代表として参加しました。
2月27日~3月3日の5日間に亘って行われた今回のISO国際会議では、13カ国から30名の専門家が集まり、産業界史上初のイノベーション・マネジメントシステムの要求規格となるISO 56001の委員会ドラフト(CD: Committee Draft)の議論を行いました。
各国から寄せられたドラフトの修正提案に対して、会議に参加しているメンバーそれぞれの国を代表して議論を行い、修正提案を受け入れるか否か、の意思決定を行いました。様々な意見を尊重しながらコンセンサスを形成するのは非常に難しいタスクですが、他者を尊重し、国際社会の純便益のために取り組むというISO行動規範に則って、非常に有意義な5日間を終えることができました。
今回の会議では、世界各国から寄せられた1000以上のコメント・修正提案の内、規格自体の根幹をなす第4章から第10章の本文に書かれている要求規格の全内容(約650コメント)について議論し、委員会としての意思決定をすることができました。日本から提案した修正案については、おおむね前向きに議論が行われ、多くの提案を受け入れていただく(微修正での受け入れ含む)ことができました。
時間を割いて多くのフィードバックや改善提案を頂いた国内審議委員の皆様には、この場を借りて改めて感謝申し上げます。
今回の会議ではいくつかの積み残し(まえがき、図表とノート)がありますが、それらについては、特別なタスクフォース(日本も含む)が形成され、オンラインミーティングで議論されることになりました。JINは国内審議団体として、引き続き日本の立場を共有しながら国際社会の持続的な発展に寄与するため、努力を続けてまいります。
最後に、今回のドバイ会議を通して様々なことを学ぶことができましたので、簡単ですが、共有させていただきます。
標準化は抽象的な概念と思われがちですが、過去の経験やベストプラクティスから蓄積された知識を、すべての国や地域の組織や企業に提供しています。それは、それぞれの時代のプロフェッショナルが、より良い未来を次の世代に残す遺産であるともいえます。特に、SDGsなどの世界的な課題を解決するために必要不可欠なイノベーションの文脈では、そのことがより顕著です。
規格はまた、異なるタイプの組織、異なるタイプの文化、異なる地域の文脈をつなぐ架け橋となる共通言語です。個人や組織がお互いを理解し、共通の目的を達成するために協力し合うためのツールともいえます。
将来が見通せない複雑な世界の中で私たちが直面する多くの課題の解決には、これまで以上にイノベーションが必要とされています。そのイノベーションを組織的に実現し、継続的な成果をもたらし得るのがIMSです。JINは今もISOの国際交渉で得た知見やIMSのベストプラクティスを共有してまいります。